星野監督から見た落合博満

素顔の落合は、シャイで、神経の細やかな照れ屋である。彼について、気になるところは二点。
一つは、それでいて、あるいはその故にか、人に対して、 横柄で感じの悪い印象を与えがちなところである。
もう一つは、よく、 話を途中で宙ぶらりんにして、あとの半分を相手に考えさせるような言い方をする癖である。 この点は、テレビなどでご承知の方が多いはずである。
そのせいか、「落合、星野監督批判」といった見出しがスポーツ紙を飾って、 私のところへ謝りに来たこともあった。
きちんと言い切らないでいると、 相手に都合の良いように解釈されて、 つまらぬ誤解や騒ぎの種になることがある。
今回の評論家生活(この本は2000年出版)で、 ぜひ表現力や、コミュニケーションの技術を磨いて欲しいと願っている。
五年間、同じ釜の飯を食った同士。 監督一年目に、自ら動いて獲って、翌年の優勝に大きく貢献してくれた選手である。
ロッテ、中日、読売、日本ハムの選手として、 大変な実績と豊富な経験を積んでおり、 いずれは監督になるだろうが、 独特の味を持った個性的な監督として成功するのではないかという気がする。