東海ブロック経営発表大会

今年の経営発表大会は辰田さん永野さんの協力を得て8月より準備し何度も見直していたので、例年より自信をもって臨んだ。12人ほどの異業種経営者のまえで50分間誰を対象に話すかを明確にして自社の歴史、理念、ビジョン、戦略を話していく。聴く側は発表者が指定した対象になりきり、何にモチベートされたか、何がビジョンの妨げになっているかをメモしながら聴く。私は社外役員として意思決定に対する意見が聴きたいとお願いして始まった。
計画作成段階で私が一番意識したことはビジョン達成の為に何を捨て何を選択するのかということだった。不景気というよりは不安定という言葉がふさわしい昨今、ほとんどの業種で新商品、新規顧客開拓が必要となっている。業種によっては事業領域の見直しが必要で、我々がいる広告業界はとくに業界そのものが変質しほとんどの広告会社がついていっていない。数字でいうとピーク時3500社12万人が昨年は2200社8万人と激減し今のままの事業モデルを2015年まで続けた場合80%の会社が無くなるという予測もある。消えていく広告会社の要因は①広告業界の利益構造変化についていけない。②新しい売り物が中途半端。③IT対応の意味を組織全体で理解していない。と云われている。我社の状態は危険度4(危険ピークは5)と感じながらの2011年度経営計画策定をした。
作成しながらデータを調べていくと広告構造変化の本質はWEB広告の登場による媒体取次業の崩壊と顧客からの費用対成果要求増であった。今までどの顧客層にも通用していた媒体が特定媒体に変質したから効果が希薄になったのだ。新聞はシニア向け媒体、チラシは30才以上の主婦向け媒体となった。10・20代は携帯、30以上はWEBで情報を収集する。車は商品別にメインターゲットが異なるから媒体を分けるべきだが、需要の減る中での複合媒体提案はかなり勉強しないとマーケットの素早い変化についていけない。アイパッド対応、スマートフォン対応とソーシャルメディア、パーソナルメディア対応は重なるがハードの理解と概念の理解すら容易ではない。  
そんなことを思いながら中期ビジョンを策定したが、やるべきこととやりたいことが混在して到達イメージが明確にならないままの発表だったようだ。皆さんからのフィードバックを総括すると以下のようになる。
①危機感はひしひしと伝わるが新規事業アイデアが多すぎてどんな会社になっていくのかが見えない。
②事業部別のミッションを明確にすると分かりやすい。
③専門用語が多すぎて分かりづらい。経営者が聴いてわからないのは社内でも伝わりにくいことを示す。発表者の頭の中が整理出来ていない。
つまり伝わらなかったのだ。来月の全国大会では上記指摘を克服するために役員と議論を重ね、何度も発表シュミレーションを繰り返して臨みたい。