事業計画修正 ― 新しい価値への情熱を自らに

前回のコラムで言いたかった事は「消費者ニーズは本質的価値への転換した」と云うことだった。震災が消費者に与える心理的影響は一過性のものではない。なぜなら増税や環境問題が日常生活にこれからじわりと影響を与えるからだ。今だけ見ていると日本の凋落が今後加速して行くように思えてくる。しかし日本人は生活習慣そのものを見直し、本当の幸せは何なんだと云う今まであまり考えたことのない根源的命題に向き合っている。

ビジネスの世界においても相手が消費者だけに事情はまったく同じで、本当に価値のある会社や人しか存在出来なくなる状況が震災により加速していくと思われる。

「ではわが社はどうなんだ」という問いかけをすると何かが足りない。本気さや情熱が伝わらない。伝わらないのは私自身が「新しいコミュニケーション技術を創りたい」と云う情熱が希薄なためではないのか?2週間ぐらい偉人の本を読み考えたが結論はでなかった。


そんな時プランオン服部社長が言った言葉が解決の糸口になるかもしれないと思った。「平均的で幅広い知識を持ちソリューションするチームより突出した技量を持った一人が勝つ」フェイスブックHP専門会社と会った時そう思ったらしい。


それは言い換えればサンセンドウが今まで進めてきた手法であるベンチマーキングと対極にあるものであった。ベンチマークが悪いわけではない。顧客(クライアント)の課題に対し自分で深く掘り下げ研究し顧客視点で考える姿勢の欠如が問題なのである。目的は顧客と自社の業績なのではなく「消費者に対する価値提供」なのだ。消費者に顧客の商品に対する情熱と消費者メリットを分かりやすく伝えられる企画とデザインが出来たとき、初めて顧客の評価を勝ち取りことができる。その結果として消費者、クライアント、自社の利益が得られる。


それでは我社は震災後のマーケットに対しどんな方針で行動すればよいのか?それは震災後ますます加速するエコ意識と多様化する媒体、多様化するニーズそれぞれにスペシャリストを育成していくことだ。これから3年かけて3つの領域において53名の社員一人一人が専門家となる。3つの領域とは①ビジネス領域②媒体領域③知識領域


いずれにしても「新しいコミュニケーション技術でアジアと日本の懸け橋になる」と云う新しいビジョンに私自身が強い情熱を持つことが条件となる。