日銀月次報告

7地域で景気判断上げ…東北「消費マインド改善」

 景気判断を引き上げたのは、横ばいだった「近畿」と「四国」以外の地域で、自動車産業への依存度が大きい
「東海」や「中国」などでは、部品供給網の復旧で、生産の回復が鮮明だ。
「自動車関連企業の関心は人の確保など増産に向けた体制構築に移っている」(東海)との指摘も出た。

 東北では「沿岸部では生産活動の停止や減産を余儀なくされている企業も多い」と、域内格差も指摘されたが、
前回の「甚大な被害が生じている」が、「正常化に向けた動きが着実に広がっている」との判断に変わった。
福田一雄・仙台支店長は4日の記者会見で、「4月時点の想定より復旧スピードは速い。
個人消費には震災後の特需も見られる」と述べた。

 震災後の自粛ムードの収束で消費も回復しつつあり、各地で「省エネ家電を中心に好調に推移」(近畿)し、
「消費マインドが着実に改善」(東北)している。

 ただ、景気の回復基調とは裏腹に、地域経済の主要産業である観光は、
原子力発電所の事故の影響で外国人観光客が減少」している厳しい現状がほぼ全国で見られる。

 電力不足への懸念も広がっている。
原発の再稼働が困難になっている関西電力が15%の節電を要請をした近畿では、
早川英男・大阪支店長が「電力不足が現実になり、(景気の)先行きに不透明感が増している」との警戒感を示した。