富の移動・・・・先進国から新興国へ 日本は格差拡大

アジア太平洋地域で投資資産100万ドル(約7900万円)以上を持つ個人は昨年、人数で初めて北米を上回った。キャップジェミニとRBCウェルス・マネジメントのリポートで分かった。
19日公表のワールド・ウェルス・リポートによると、アジア太平洋でこの水準を満たした個人は前年比1.6%増えて337万人。中国や日本、タイ、マレーシア、インドネシアでの増加が寄与した。北米では1.1%減少して335万人だった。
RBCウェルス・マネジメントのグループ責任者、ジョージ・ルイス氏は発表文で、アジア太平洋の金持ちがどの地域よりも多くなったのは「意義深いことだ」と述べた上で、「市場のボラティリティが響き、金持ちの資産全体は減少した」とも説明した。
リポートによれば、世界全体の富裕層の人数は昨年、1100万人でほぼ変わらず。資産合計は1.7%減の42兆ドルと、2008年以来初めて前年を下回った。ユーロ圏ソブリン債危機と米景気鈍化が背景。
富裕層の総資産で比較すると、北米が11兆4000億ドルで引き続き最も豊かだった。アジア太平洋は10兆7000億ドル。欧州は1.1%減の10兆1000億ドル。10年は7.2%増加だった。金持ち資産が昨年増えた唯一の地域が中東で、0.7%増の1兆7000億ドルだった。
原題:Millionaires in Asia Outnumber North America, WealthReport Says(抜粋)