企業訪問  名古屋美容室編

10月19日20日と3人の美容室経営者、鍋島さんとNO2 http://www.frame-magic.com、佐々木さん 
http://www.hairstudio-donna.com/cn9/index.htm が名古屋に来て尾張経営研究会会員企業に集った。初日は我が社で最新コミュニケーションと未来戦略の勉強会を実施。デジタルサイネージブルーオーシャン戦略についてレクチャーと討議をした。その中での発見は①経営者は理論を学ばなくても日々様々な情報に触れすばやく対応しているということ。②マーケティングを知れば打つ手が少し遅れるかも知れないが失敗の確率は下がると確信を持てたこと。③一見同じように見える経営者も会社の歴史や個性によりまるで手法が違うこと。その日は若鳥を七輪で焼きながら機会と脅威について語った。

2日目は朝から車中で環境変化について4人で討論の後、TJ天気予報http://www.tj-tenkiyohou.co.jp/へ向かう。店に着くと朝礼が始まっていた。店長が理念の唱和をすると全員が後に続く。「TJ天気予報は人をつくる学校です」「みんなの長所だけを伸ばせるようにしたい」締めのハイタッチ。一日の始まりが明るく前向きになるようなとても印象的な朝礼だった。その後オーナーが出社。私以外の3人はひげを蓄えていたためオーナーは店中ひびき渡る声で「美容師は清潔であれ、すぐ切れ!」と一喝。私は苦笑いをこらえ会議室に向かった。はじめにオーナーの常識破りの発言。「講演を聴いたら持ち帰るのは1つと決めろ。後は忘れるし実にならない」「本は読むな!必ず偏っている」「遊ばなければ勘か研ぎ澄まされない」納得いかないこともあったが共感したのは問題意識の大切さであった。
そのあとオーナーの奥様でもある社長との経営問答塾が始まった。とくに印象的だったのは管理職の移動などについてであった。①管理職は定期的に移動させる。理由は自分が見ている世界が固定すると情が先行して冷静な判断が下せなるから。②人間関係の不和を引き起こした責任者は降格させる。③面談は定期的に行い社員の意見を経営に反映させる。社員から店長への応援メッセージを色紙に書かかせる。ほかには社内ベンチマークを実施して成功理由を共有化していることが印象的であった。
TJ天気予報は店舗戦略と人とのふれあいを大切にする会社だ。①郊外ドミナント戦略に徹する。②400坪を出店基準として昔の学校風の木造建築としている。③「出会いを大切に」が社員、お客様、取引先、社会とすべてかかわる人たちに貫かれている。人に裏切られても裏切らないそんな社長の生き様が社会へのメッセージだと感じた。朝から昼過ぎまでお付き合い頂き感謝!
その後シュリンプhttp://www.shrimp.co.jp/さんへ。新進気鋭の若手経営者が我々の質問に応えてくれた。まずは差別化戦略から。テーマは「安全、安心、健康」そのために自社でオーガニックコスメを開発、販売しお客様の喜びを追求している。今では別会社を設立し社長が陣頭指揮をしている。人材育成の目的は社業の発展にあり、効率を上げるための努力こそ社員の勤めであると云う。悩みは社員の自発性であった。「考える社風」を目指し様々な工夫を凝らしている。「強い会社とは規模ではない」コアコンピタンスと考える社風こそ永続企業をつくる。そんなメッセージを私は受け取った。バイタリティーと知性を兼ね備えた将来有望な経営者の一人であった。あとは逆境がこの経営者の器を広げていくことだろう。
私がこの個性異なる経営者から学んだことは「シンプルこそ最大の武器」ということである。シンプルに物事を見られるようになるためには自分の思いを徹底的に整理し、自社を取り巻く環境と未来を照合し尽くすところから生まれてくる。自分の存在意義を毎日意識しながら生きていくことの大切さを教えられた。感謝!