ケースメソッド研修ー食肉卸業

食肉販売業は大きな転機を迎えている。TPPによる貿易自由化と食の安全意識、規制強化という外部環境の脅威にさらされている反面、アジアでの日本食材ブランド化とネット通販による機会拡大という大きな変革期の最中である。ほとんどの業界で業態区分が曖昧になる業際化が進行中である。その理由は①IT化②国際化③過剰流動性の3つが大きな要因である。①IT化が進めば小資本での流通が可能となりセグメント化が顕著になる。多くの新規参入者が新しいコミュニケーション技術を武器にやってくる。②国際化は自社が何業かをとことん考えさせる。日本で通用した強み以外の要素が大切であったりする。肌感覚で理解出来る日本と違いマーケティングがイチから必要になる。③世界中でカネがダブついている。とくにリーマン以降の世界経済は先進国のデフレと失業率悪化、新興国でのインフレと人不足で富の移転が加速している。デフレ克服の為、先進各国中央銀行が紙幣を刷り市場にカネを注入している。アメリカは金融緩和を重ねた結果、ドルがリーマン前の3倍の流通規模になった。そうせざろう得ないほど米国債に魅力がなくなったからだ。そうして膨らんだ通貨が一気に新興国と資源国に流れ込む。この流れと食肉業界との関連は2つある。*価格低下の流れはトレンドの為止められない。*カネの流れが何らかの理由で止まった時過去最大のバブル崩壊が世界規模で起こる。その時、借入金体質の会社は真っ先に消えてなくなる。これはすべての業界に言えることだ。2番底はないが、大恐慌は必ず近い将来起きることを前提に準備をする必要がある。以上が私の感想、意見である。
一方発表者は以下のように感じている。



今回の授業で自分自身の問題点・課題など多くの気づきをいただきました。
大きなテーマとして「家業から企業への転換」というものがあったかと思います。
以下に記させていただきます。

①本来やらなければならない重要な仕事が緊急な仕事に消されてしまっている
 2010年11月から特に受注が増え業務に追われている。
 しかしよく考えてみると常に弊社は業務に追われていた。
 余裕を持って仕事ができるだけの人員を採用し、計画性のある仕事の仕方を創り上げる必要性

②社長・幹部のコミュニケーション不足
 会社の問題点・課題について語り合う場がなく、社長の想いも伝わっていない。一枚岩になっていない。
 製造部・営業部・総務経理部がコラボレートしていないのはここに原因があると感じました。
 
③ビジョンが不明確であった
 ビジョンは掲げているものの不明確かつ、伝え方・伝える頻度(量)も不十分だった。
 ビジョン達成した時に社員さん・パートさんはどうなっているのか?
 給料・あるべき自分の姿・会社の福利厚生・会社の地位など全員の意見を集め
 会社のビジョンと社員さんのビジョンを結びつける重要性を感じました。

④従業員への福利厚生の充実
 従業員さんが「大事にしてもらっている」という実感を得られるようなことを推進していく。
 研修への派遣、定期的な飲み会の開催、面談でのケア、ありがとうカード
 今回の研修に参加してくれた人たちだけでも「13の徳目」「理念と経営勉強会」を開催する。
 売上10億経常利益1億を達成した暁には海外旅行に連れていく。

⑤一般顧客への移行
 我社としてはあらゆる規制があるので別会社を創り、一般顧客向けの販売を開始する。
 長期的視点に立ち投資を行っていく。

いずれにしても環境変化情報をリアルタイムに自社に取りこむしくみづくりが優先順位1位である。