プロフェッショナルの条件

「働く者、特に知識労働者の平均寿命と労働寿命が急速に伸びる一方において、雇用主たる組織の平均寿命が短くなった。今後、グローバル化と競争激化、急激なイノベーションと技術変化の波のなかにあって、組織が繁栄を続けられる期間はさらに短くなっていく。これからはますます多くの人たち、特に知識労働者が雇用主たる組織よりも長生きすることを覚悟しなければならない」『プロフェッショナルの条件』

会社のほうとしては寄りかかりの社員ばかりでは困る。今では想像もできないことになったが、かつては働く者のほとんどが肉体労働者だった。当然定年の頃にはくたびれ果てていた。退職後も、それほど長く動き回れるわけではなかった。これに対して会社のほうは盤石だった。ところが今では働く者の過半数が身体ではなく頭を使う知識労働者である。しかも、企業その他の組織にとって唯一意味ある競争力要因はドラッガーがいうところの”知識労働者の生産性”である。それを左右するものが”知識労働者”だ。会社を引っ張り定年が延びてもそれ以上に元気なままの人たちである。むしろ会社のほうが競争に負け、あるいは競争に勝っても産業構造の変化とやらに置いてけぼりを食らうことがある。あるいは欲に目のくらんだトップが会社をつぶしあるいは同じく欲に目のくらんだ外国の金融機関のとばっちりを受けて会社がつぶれる。しかも、知識労働者が主役になったということは、彼らが自らの組織に繁栄をもたらすべき存在であるにとどまらず組織の寿命さえ超えて活躍していくべき存在になったということである。したがって、在職中はもちろん退職後の第2の人生の為にも新しいキャリア、新しアイデンティティ、新し環境の用意をしておかなければならない。

「すべて初めての挑戦である。むずかしいことではない。だが、知識労働者の生産性こそ一人ひとりの人間、一つひとつの組織が成功を続けるうえで不可欠なものである。これからの数十年にわたって知識労働者として活躍する人としない人、知識経済において繁栄する組織とそない組織の差は、歴然となる」『プロフェッショナルの条件』

あなたは自らの知的生産性を上げる為に今日何をしますか?「1秒、1時間、1日を無駄にしなければおのずと成果は出る」中日ドラゴンズ落合監督が今年のキャンプ初日に発言した。毎日自らに問いかけたい。