Greatな組織

Greatな組織を作るためにまず必要なこと,それが「第5水準のリーダーシップ」を 発揮することである.「なんだ,結局偉大な社長がいないとダメってことか」 と思った人は,自分を愚かだと思った方が良い.カリスマを持った偉大な 社長(第4水準の指導者)の腕力で成長した企業は,15年も成長を維持することは できないことがはっきりしている.

それはなぜか.もちろん,これ以降の法則の影響もあるのだが,まず 指導陣が恐ろしいくらいにストイックにそして「己」を捨てなければ, 偉大な組織へとなることはできない.第4水準の指導者,いわゆるワンマン社長などは 「自分の力で」組織を成長させることが目的だが,第5水準の指導者は 「自分がいなくなったあとでも」成長を続けられることが目的なのだ. この間の隔たりは大きい.第5水準と第4水準を見間違えてはいけない. だまされてはいけない.

すべてにおいて「己」を捨てることができなければ,自分がいなくなった 後も成長をつづける組織など作ることができない.取締役のために きれいな個室を用意するのが当たり前の組織に何ができようか? だが,指導者が第4水準であればそれが当然になってしまう. したがって,指導者は第5水準でなければならない.

ほとんどの組織はそもそもこの時点で既に脱落だろう.会社組織は言うに 及ばないだろう.きれいな自社ビルをもつことが目的の企業がどれだけあるだろうか. 大学がいつまでたっても良くならないのは,自分の学部や専攻の利権, 自分の研究のための資金を守り抜くことが目的となっている第4水準の指導者 ばかりなんじゃないか.例を挙げだせばキリがないと思う.