事業計画メモ1

====経営者の名言より[ 本田 宗一郎 ] 本田技研工業社長(創業者)
われわれは勝負師ではない。
負けても何が原因で負けたのかを追求することに意義がある


事業計画のシーズンである。1995年から事業計画を創り出して19回目の策定でずいぶん歴史ある見通しづくりとなった。2007年まで急成長したがその後一回の赤字を経験して、自分の過去も含め事業をよく振り返るようにはなった。その時、決算マイナスになった原因は目先の利益ばかりに囚われ人材育成や商品開発、事業開発が後回しになっていた事であった。究極の粗利至上主義、能力主義が招いた当然の結末であったと、今から思えば納得できる。


良いときには必ず次の一手を打とうといつも思ってはいるし、事実様々な事業を試してみた。しかしそのほとんどが失敗、もしくは計画倒れに終わっている。何故か?今回の巻頭言にある負けた原因究明が感覚で終わっているためだ。今年の事業計画で同じ過ちを繰り返してはならないとポイントをまとめた。


①原因は事実なのか解釈なのか?
昨日、自分発見セミナーの清水さんに聞かれて、自分では事実のつもりの言葉が解釈であったことが判明した。まず赤字は解釈であり事実はマイナスであるという事。赤字だけでは原因究明は出来ない。いくらマイナスでそれは固定費が過大なのか、特定部門の粗利益が過少なのか?分解して仮説をひとつひとつ立証しなければ真の原因は分からない。社員評価も解釈が多い。数字で評価できる営業でも担当する客により有利不利が事実存在するし、売り上げが多いから顧客満足を満たしているとも限らない。数字と顧客評価、従業員評価の総合評価が最も事実に近いといえる。間接部門であればほとんどが事実でなく解釈となる。手がかりは自己評価と社員評価の差異である。常に事実化か解釈かという意識は常に外から自分を見る事と重なる。


②仮説リストを創りひとつひとつ検証していく。
前年度の方針がよかったかよくなかったかは人により解釈が異なるので事実は分かりにくいがあらゆる方面から検証していく必要がある。WHYが弱いと検証にならない。
今年度方針も最初から思ったイメージ決め打ちではなくあらゆる角度で仮説をつくりリスト化し役員で討議し新たな発見を探さなければならない。社長はマクロ状況、ビジョン、多くの知り合いからの情報を元に、現場に詳しい幹部社員と摺合せをしなければよい戦略はつくれない。